身体の歪みの原因、そのセルフチェック方法とは?
「身体の歪み」って皆さん気になりますよね。今回は身体の歪みを自分で解消する方法の一つを皆さんにお伝えしようと思います。
クライアントさんから「私の身体ってゆがんでますよね?」とか「どこが歪んでますか?」と聞かれる事が良く有ります。ロルフィングやピラティスをやってみようと思う方は身体を気にしている方が多いでしょうから、気になるんだろうなぁとは思います。
もちろんセッションやエクササイズの前後にこちらもクライアントさんの身体の観察は必ず行いますが、そこで気付いた事をそのままクライアントさんに伝える事は基本的にはやりません。
肩が下がっているとか、背骨が曲がっているとか、骨盤のどちら側が上がっている下がっているなどなど、皆さんが考えている歪みは色々有ると思います。ただ気にしている人にそれを告げてしまうと余計に気にして、こわばりや余計な力みが入って逆効果になってしまう事もとても多いです。これがお伝えしない大きな理由です。
そもそもその歪みは、その歪んだ状態で全身のバランスを取っています。それはそれまでの人生、生活の中で身体が良かれと思って作り出してきたものです。ある意味そこでバランスを取る事でカラダを守ってきたとも言えるかも知れません。ただそれが余りに過ぎるとその歪みがまた新たな問題を生み出す事にもなってしまいます。
そんな状態ですので、分かり易く見える所だけを気にして操作しようとしても、すぐに戻ってしまいますし、無理やりそれを維持しようとするととても疲れてしまいます(無駄だと言っている訳では有りません、中には上手く行く人もいます、たまにですがw)。
ロルフィングはその全身のバランスを10回のセッションによって、玉ねぎの皮を剝くように徐々に本来の形に近づけて行くものです。そのロルフィング10シリーズの中でクライアントさんに良く聞くのは、普段多くの時間や回数をかけている、姿勢や動作です。例えば職場の机や椅子、マウスやキーボード、モニタの位置、自動車の座席のリクライニングやハンドルの位置、テレビやソファの位置などなどです。
皆さん余り意識していませんが、そういった日々の姿勢の偏りの積み重ねが、その身体の歪みの原因となっている事が多いのです。(もちろんケガの影響なども有るので全てでは有りませんが)
ですから、10シリーズを受けて下さっているクライアントさんには、上に説明した様に「身体の歪みの要因は日々の癖や習慣から」と言う事をお伝えして、せっかくバランスを整えているのでそのタイミングで、要因を見直してみる事をお勧めしています。セッションの際にはクライアントさんに合わせて個々に具体的にアドバイスしていますが、今回はそんな中から典型的な物や一般的な物を幾つかご紹介します。皆さんご自分の生活に当てはめて是非活用してみてください。
日々の歪みの要因をチェックするポイント
- パソコンのディスプレイ、テレビの位置は身体の真正面に有りますか?
この図の様に、画面の位置が左右にずれているといつもどちらかに首や上半身をひねる事になります。毎日数時間を何年も続けて行けばその蓄積はバカになりません。確実に身体に刻まれて行きます。どうしても正面にする事が出来ない事情が有る場合は左右を定期的に入れ替えてバランスを取る様にしましょう。入れ替えるスパンはより短い方が良いです。
- 椅子の高さ、机の高さは合っていますか?マウスやキーボードの位置は使いやすいですか?
椅子の高さは、足の裏をしっかり床に着けられて、膝が直角位になる高さにしましょう。机の高さは、椅子を合わせた状態で、肘が直角位で手を乗せれる高さに合わせましょう。力んでその姿勢を作るのではなく、リラックスして結果としてその姿勢になる様なセッティングです。最近はノートパソコンを使う事も多いので中々難しいですが、画面はその中心が目の高さに出来ると良いでしょう。画面の高さを除けば下図の様なイメージですね。
キーボードは机の端っこでは無く、手首を乗せれるスペース分空けて奥へ置きましょう。たまに手首を浮かせてキーボードを打つ方を見かけますが、とても辛そうです。でも多分本人はその体制が身体にとって辛いと言う事に気付いていないのでしょうね。マウスも同様に手首が乗せれるスペースを確保して出来るだけ身体の近くに置きましょう。
- TVを見る時、寝る時、本を読む時、スマホを見る時、いつも同じ姿勢を取っていませんか?
ソファに横に寝そべりながらTVやスマホを見る。仕事が終わって家でリラックスしている時などは皆さんこの様な姿勢を取っているのではないでしょうか?リラックスする事は大事ですし、これ自体は否定しませんが、いつも同じ姿勢を取っている事はおススメしません。寝そべる方向を日によって変えるなど、同じ姿勢をずーっと続けない様にしましょう。寝る時もいつも同じ方向、姿勢では無く、異なる姿勢で寝る様に出来ると良いですね。
- 脚を組む、腕を組む事が癖になっていませんか?
椅子に座っている時に脚を組む、会議の時に腕をを組むなどの癖をもっている人は多いのではないでしょうか?これもずっと続けていると一方向の歪みを全身にもたらします。試しにいつもと違う方向で脚や腕を組んでみてください。どうでしょう?すごい違和感を感じるのではないでしょうか?
それだけ一方向に身体が固まってしまっていると言う事なのです。違和感を感じた方は、暫く脚や腕を組む時に逆側で組む様にして見てください。1~2週間で違和感は減っていくと思います。これだけで身体が変化し始めるのです。左右で違和感に差が出なくなったらこれも交互に行う様にしましょう。
最後に
如何だったでしょうか?上に挙げたものはごく一部ですが、一般的な物ですので当てはまる方も多いと思います。職場のルールなど中々変えられない物も有るかもしれませんが、全て変えれなくても一部だけでも変えてみれば変化を感じられると思います。
日々良い姿勢を取ろうとか意識する事は大変ですが、環境を一度変えてしまえば意識せずとも身体にかかる負荷は変わります。逆に言えば環境によって意識していない負荷が蓄積されて行くものです。「そんな事ぐらいで、、、?」と言わずに出来るから見つけて是非試して行ってください。
ここで私の体験談をご紹介します。歪みの蓄積と言う事では、私は今でも後悔している事が有ります。それは財布の収納場所です。私は財布をズボンのお尻のポケットに入れそのまま椅子に座り、仕事や運転をずっと行って来ました。ロルフィングを受けて初めてそれに違和感を感じて止めましたが、それまでおそらく10年以上行って来たと思います。いつからやっていたのか覚えていない位ですのでもっと長いかもしれません。
ロルフィング、ピラティス、整体、武道的身体動作などなど様々な事に取り組み、身体も整い、今が人生で一番身体の調子が良く、一番動けると思っていますが、感覚が鍛えられれば鍛えられる程、財布によってもたらされた「身体の歪み」が今でも身体に残っている事を実感させられます。それは骨盤だけにとどまらず、足先、首頭まで至ります。あの時あれをやっていなければ今ではもっと動けたのでは無いか?とその度に思わされます。
そんな訳でしつこいですが、最後にもう一度言わせてください。
日々の蓄積はバカに出来ません。出来る事から少しずつでも変えて行って、少しでも身体の状態を本来の自然な状態に近づけて下さい。
お知らせ
4月から2期目に入ったNHK文化センター名古屋教室の「ロルフムーブメントのセルフケア講座」。ここではちょっとしたコツ、意識のポイントをお伝えする事で、身体のセンサーのスイッチを呼び覚まし、本来の動きに近づけていくワークを行っています。行うワークは難しい事、辛い事はせず、誰にでもできる簡単な動きです。次回7/10であっという間の折り返しの第6回ですが、まだまだ体験、入会共に募集しています。気になる方は是非体験してみてください。
詳細、申込は以下NHKさんのサイトをご覧ください。
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1236928.html
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